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A Expiation in the Fair 2

  • ネタバレあり(CCFF7、FF7AC)
  • タイトル : A Expiation in the Fair
  • 投稿者 : jumping
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1章 本当の理由

 日が暮れてしまえば、エッジはとたんに静かになる。
 まだまだ娯楽の少ないこの街の住人は、寄り道せず真っ直ぐ家路につくものが多い。
 しかし、この店に限っては別だ。酒を飲みかわしながら、他愛のない会話を友人と楽しむ。
 時には名前も知らない、たまたま隣り合わせただけの相手でもそれは同じ。
 悲しいことも辛いことも、この一時だけは忘れていたい。
 そんな時間を求めてやってくる客で、セブンスヘブンは毎晩賑やかだった。
 クラウドはもう店のカウンターに座っていた。
 もちろん、昼間店に来たという例の男を待つ為ではあるが、
 家族がその得体のしれない男に対して漠然とした不安を抱いているのが感じ取れたので、
 仕事を大急ぎで済ませて帰ってきたのである。
 彼女たちが突然の来訪者に警戒するのも無理は無かった。
 ほんのひと月程前にカダージュ達の襲撃を受けたばかりである。
 自分が少しでも長くここにいることで彼女たちを安心させたかった。
 「・・・遅いね」
 ティファがクラウドの前にアフィニティの入ったグラスを置きながら呟いた。
 時計はとっくに22時を過ぎている。男はまだ姿を見せない。
 「何かされたら、クラウドと俺があのおじさんをとっちめてやるから!」
 と息巻いていたデンゼルも睡魔には勝てず、今はマリンとともに自室で寝息を立てている。
 このまま来ないのならそれはそれでいい、とクラウドは思っていた。
 取材、と言っていたが、ティファの話を聞くとそれが本当の目的なのか怪しく思えてしまう。
 穿っていると言われればそれまでだが。
 例え取材が本当だとしても、そもそもクラウドには過去の話や近頃の事件のことなどをべらべらとしゃべるつもりは毛頭ない。
 いくらなんでも赤の他人に打ち明けられるほど、まだ傷は癒えてはいないのだ。
 だから、その場合は適当に理由をつけて断るつもりでいた。その方が今の暮らしを守ることができる。
 ティファも、クラウドと似たような思いでいた。
 彼女は今あるこの暮らしが宝物のように思える。
 クラウドも、マリンも、デンゼルも皆、血のつながりのない、でも心で強く結ばれた家族。
 しかし先日、ふとした事がきっかけでその絆が壊れかけてしまうのを目の当たりにしてしまった。
 今は無事に無くしかけたものを取り戻し、絆もより強まったことを実感している。
 にも拘らず、一度味わってしまった不安は彼女を臆病にしてしまった。
 クラウドを信じている。それは間違いなく確信が持てる。なのに、彼女の心は落ち着かない。
 「ジェノバ戦役の英雄」という呼び名を、クラウドが酷く嫌うのをティファは知っている。
 元々繊細なところを持つクラウドを、ティファは心配していた。
 あの男の登場で、また私たちの生活に波が立ってしまうのではないか・・・。
 ――――二人の心配は、この数分後に取り越し苦労であることがわかる。
 バタン!!と派手に音をたてて店のドアが開いた。
 一斉に客の視線が入口の方へ向く中、昼間の男がハァハァと肩で息をしながらカウンターの方へ歩いてきた。
 「も、申し訳ない・・・別件の・・・し、仕事が・・・」
 息が上がっていて上手く話せない様子を見かねて、ティファが水の入ったコップを差し出すと、
 「あ、ありが・・・と」
 と言って、一気に飲み干した。大きく息をつく。
 しばらく彼の挙動に注目していた客達は、さして面白くもなさそうだと判るとまた各々の会話を再開させた。
 「助かったよ、いや、みっともない所を見せて済まない」
 ほんのり高揚した頬をしたまま、男は恥ずかしそうに礼を言う。
 すると、ティファの肩越しにカウンターに座っているクラウドと目が合った。
 「大分お待たせしてしまったようだね、申し訳ない」
 「いや、・・・クラウド・ストライフだ。よろしく」
 クラウドの方から、右手を差し出した。
 「あぁ、はじめまして。俺も自己紹介がまだだった。」
 右手を出してクラウドの手を握りながら、彼は自分の名前を名乗った。
 「カンセル・ブラインだ。こちらこそよろしく」
 「何かご注文は?」
 二人が席に着くと、ティファが尋ねた。
 「いや、今はいいよ。実は酒はそんなに強くないんだ。話せなくなると困るからね」
 「じゃあ、コーヒーでも」
 「あぁ、いいね。頼もうかな」
 「はい」
 ティファが手際よくコーヒーを淹れ始める。彼女の作業を少し眺めた後、クラウドが切り出した。
 「アンタは取材をしたいそうだが、申し訳ないが俺は・・・」言いかけた時、
 「いや、ごめん!!」
 今度はカンセルが話し出した。クラウドは思わず目を丸くした。
 「その事なんだが・・・、実は取材が目的で君に会いに来たわけじゃないんだ」
 「・・・何か裏があるとは感じていたが」
 「そうなのか?よくわかったな・・・いや、出版社に勤めているのは事実だ。
 個人的にどうしても知りたいことがあって君の所在を調べたんだが、
 会社の方には取材と言っておかないとなかなか自由に動けなくてね。
 それと、一応不審がられないようにと思ってそう彼女に話したんだが・・・逆効果だったかな」
 カンセルはティファの方を申し訳なさそうに見た。ティファは軽く、首を横に振った。
 「そういうことならいいんです。気にしないで」
 「すまなかったね。ところでなんでバレたんだい?」
 「・・・アンタのその瞳だ。」
 あぁ、そうか。という風にカンセルは納得した表情をした。
 「近頃は戦いなんぞとは無縁の生活でね、自分の瞳がこの色だというのを忘れてしまうよ。
 お察しのとおり、俺は元ソルジャーだ」
 ハハ、と自嘲気味に笑うとカンセルは、話し続けた。
 「実は俺の知りたいことというのは、ソルジャー時代の友人の事なんだ。
 俺はアイツの危機を知りながら、助けてやることができなかった。見殺しも同然だ。
 ・・・クラウド、君はアイツの最期を知っている」
 そこまでを聞いて、クラウドの顔が驚きに満ちた表情になる。
 クラウドが即座に思い浮かべた顔の名を、カンセルは言った。
 「友人の名前は、・・・ザックス・フェア、ソルジャー・クラス1st」
 長い沈黙の後、カンセルが口を開いた。
 「アイツが最期、何を思って、どんな行動をしていたか。俺は知りたいんだ。
 それと、アイツの死を目の当たりにした君自身がどんな思いでいたのか、教えてくれないか。・・・頼む」
 それだけ言うとクラウドから目をそらし、残り僅かとなっていたコーヒーを全て飲み干した。
 「何故、知りたいと思うんだ?」クラウドが問う。
 「・・・何故、か。俺も上手くは言えない。
 君達二人が逃亡してる間、俺は助けられるかもしれないチャンスを掴んでいたんだ。
 でも、結局はできなかった。・・・一生かけて罪を背負い続けると覚悟をしていたのに、前に進めなくなったんだ。」
 その一言を聞いて、クラウドはある確信を持った。
 「それならば、アンタの過去を俺に話してくれないか。俺の話はその後だ」
 クラウドがそう言うと、カンセルは苦笑した。
 「わかった。長い話になるぞ?」
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